2021年3月24日
中土井 僚「日々是内省」
2021年の幕開けとともに、首都圏他一部の地域で発出された2度目の緊急事態宣言がようやく解除されました。感染再拡大(リバウンド)に対する警戒など、依然として予断を許さない状況は続きますが、一方でワクチン接種の準備が始まるなど、アフターコロナへとフェーズ移行が生まれつつあるのを感じます。
「コロナからいかに身を守るか」、「コロナはいつ終息するのか」といった観点も大切ですが、そもそも地球上のほとんどの人が訪れたこともない中国の武漢という場所で生まれたウイルスが、たった数ヶ月で人類全体を脅かすに至ったという事実を見逃すわけにはいかないでしょう。
VUCAワールドという半ば使い古されたバズワードは、単なる「変化が激しい時代」という以上の意味があることを嫌というほど味わわせてくれたのが、このCOVID-19なのではないかと思います。
すなわち、私たちは否応なしに、「想定外」、「甚大な影響」、「未曾有の事態」にさらされるだけでなく、それそのものが「日常になってしまう」ということがVUCAの実態なのではないでしょうか。
こうした「日常化した想定外」に翻弄される状態に呼応するかのように、多くの企業の中で似たような人材育成課題に遭遇するようになりました。それは、「物事の本質が見極められる人材を育てたい」というものです。
これは裏を返せば、目の前の事象に翻弄されているだけに陥っているために、後手に回ってしまっていたり、言われたことしかやらない/できない人材がより際立ってきている、増えてきているという焦りの裏返しであるといえるでしょう。
「物事の本質を見極められる人材」と聞くと、聞こえはいいですが、興味深いことに「念のため、お聞かせいただきのですが、本質というのはどういう意味として捉えていらっしゃいますか?」と質問させていただくと、ほとんどの方が閉口されてしまうのです。
Googleで「本質」という言葉を検索すると、「そのものとして欠くことができない、最も大事な根本の性質・要素。」という定義が出てきますが、これは、「本質」の定義に迫るものというよりは、単なる言葉の言い換えのように感じてしまい、「わかったような、わからないような」感覚になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「物事の本質を見極めることは大切だ」ということは直感的にはわかっていながらも、いざそれが意味するところを説明しようとすると、わかりづらさや、簡単には言葉にできない感覚を覚える。ここに、本質を見極めることの大切さと難しさが隠れているように思います。
ということで今回は、「時代が求める『本質』とはいったい何か?」をテーマに、私なりの洞察をLINE公式でご紹介したいと思います。
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